どうも元保育士で現介護士のたんたん(@tantan4423)です。
保育士に関する話題といえば流行語にもなった「日本死ね」がありましたが、僕も国に対して同じようなことを思っていました。
何かと問題になることも多い保育士ですけど、相当な覚悟がない限りは辞めておいたほうがいいです。
その理由としては保育士を取り巻く環境の悪さにあると思っています。
今回は保育士の給料は低いことはどういった原因や背景があるのか?ということを書いていきたいと思います。
この記事の目次
保育士の給料の実態:他職種と比べてどうなのか??
保育士の給料は多くの人が知っている通りとても安いです。
実際にどれぐらい安いのか?ということを
- 平均額
- 手取り
- どのようにして給料が決まっているのか?
について解説していきたいと思います。
給料の平均額は??
保育士の平均年収 | 326.8万円 |
女性の平均年収 | 455.1万円 |
全職業平均年収 | 345.5万円 |
保育士の給料の全国平均は、2016年の調査では年収で326.8万円となっています。
その内訳は月給22.3万円、賞与が58.8万円です。
ちなみに僕の場合はそれほどももらっていなくて一年目の時は
- 月収15万円(手取り12万円)
- 賞与3ヶ月分(45万円)
程度でした。地方という事もあったかもしれませんけど、これらのデータは一部の稼いでいるベテラン保育士や数少ない公務員として働いている保育士が数字を上げています。
今ではほとんどの保育士が役職がなくて民間の福祉法人とかで働いているため僕と似たような給料体制で働いている人は多いと思います。
データに戻ると、全職業の一か月の平均給与が30.4万円、年収にすると455.1万円ですので平均給与を大きく下回っています。
それで考えると保育士という仕事は稼ぐことが難しい仕事だということです。
しかし女性の就業者全体の年収を見てみると345.5万円と保育士と大差はありません。
そう考えてみると保育士だけでなく女性の問題として考えるべきかもしれません。
手取りで保育士はいくらもらっているのか??
手取りの給与とは、所得税、年金、健康保険、雇用保険、住民税などを引いて、手元に残る金額のことですね。
さっきの僕の例では毎月月給が15万円だったのですけど各種の税金を引かれて12万円ぐらいの給料でした。
初めてこの金額をもらった時ははっきり言って「地方の保育士は舐められているな」と正直感じました。
手取りは月給の約8割の額といわれており、月給を平均の22万円とすると、17.6万円が手取りになります。
この金額は社会保険完備の保育園で働いた場合の基準であり、保険料が自己負担となる場合にはさらに手取りは少なくなることがあります。
簡単にいうと働く園によって全然変わってきますけど、基本的には低水準の給料で世の中で言われる底辺職といっても過言ではないです。
どのようにして保育士の給料が決まっているのか??
保育士の給与は預かっている子供の家族からもらう保育料・国や自治体の補助金が多くを占めています。
なので自分の事業所で多くの利用料をもらってそれを保育士に還元するという商売的な発想をすることができません。
介護施設の特別養護老人ホームもそうなのですけど、国の制度や財政に強く依存している業種なので、お金儲けのための運営ができないんですよね。
以前は公務員という形で国が保育士の給料を保証していて、多くの額をもらっていたのですけど民間に委託する流れになって給料が大幅にカットされました。
保育士は福祉分野のサービス業なので、一般企業とは違って、勤続年数や役職手当によって給料が決まることが多いです。
頑張れば頑張るほど給料が上がる仕事じゃないのでそれがバカバカしくなって舐める保育士も多いですね。
保育士の給料が上がらない理由は??
子どもたちを保育園で一日預かるのが保育士のお仕事です。
ちなみに預かるだけではなくて
- どのようなプログラムを施し成長をさせていくかのPDCAを回す
- 行事の準備
- 親や地域社会との連携
- 毎日手書きの日案、週案、月案の作成
ととても忙しものになっています。
預かった子どもたちの一時の親代わりとなるわけなので責任の重い仕事ですよね。
僕自身も介護と保育と両方やっていましたけど、はっきりいって今の介護士の仕事の方が全然いいです。
体力的にも精神的にもかなりキツく、その上残業や持ち帰り業務もたくさんあります。
それにも関わらず保育士の給与は安いと言われています。
これだけのお仕事をしている、保育士の給与がなぜ安いのでしょうか。
持ち帰り・サービス残業が当たり前の世界だから
保育士の仕事量が多いという事は分かっているのですけど、普通なら仕事をすればするほど残業代によって給料が上がると思います。
しかし保育所の多くの場所はサービス残業が横行していて、中にはそれでも終わらなくて仕事を家に持って帰ってやっている保育士もいます。
実際に多くの保育所は保育士からサービス残業を取り上げてしまったら事業を畳まないといけなくなるぐらいのものです。
僕の場合は基本的に仕事が終わっていなくても残業はせずに帰っていましたけど、なかなか難しいと思います。
子どもの命を預かっている仕事なので責任感から本当は違法であるサービス残業や持ち帰りの仕事を受け入れてしまうと思います。
これは介護士などの他の福祉医療現場にも言えますけど、基本的に人手不足で資金不足の事もあって経営者に都合のいい違法労働が蔓延しているという事実があります。
なので保育士の給料が上がらないのも残業代が加算されていないからであって、残業代を全部支給してもらったらまだましになるのではないかと思っています。
実際に毎月40時間ぐらいは残業していると思うので5万円近くはアップするのではないか?と思っています。
多くの保育士がサービス残業を受け入れているからこのような悪しき文化が残っているのでどんどん摘発するような流れを作った方がいいと思います。
簡単な事といえば残業代や時間外の勤務に対しての申請を出して通らなかった時に労働監査局に報告する事です。
サービス残業が多い業種である介護士や保育士の労働環境が改善されないのは違法行為を見逃しているから。
労働監督署に「労働基準法37条の違反の申告に来ました。」と言えば話が早いです。
僕はそれで何回かサービス残業代を取り戻した上に給料を上げてもらうことに成功しました。
— たんたん(Fukai Ryuji) (@tantan4423) October 16, 2018
僕の今いる介護業界でもサービス残業が蔓延しているので福祉業をしている人は知っていて損はないと思います。
僕の場合もそれで残業代が帰ってきましたし、他の職員の残業代も支払ってもらいました。
しかし多くの保育士はこの行動をしないので保育所側が調子に乗って搾取しようとするんですよね。
はっきりいってこの報告をするかしないかで大きく違うので保育士はどんどんサービス残業をする施設を監査に報告して正していった方がいいと思います。
サービス残業や持ち帰りの仕事にどう対処していくかについて書いていますので良かったら一緒に読んでいただければ嬉しいです。
国が保育所に対しての補助金を増やしてくれない現実
国によって所得によって月謝が決まる事もあって保育所側の判断で保護者から過剰にお金をもらう事はできません。
なので国は保育園に補助金を出し、保育園はそれを運営や給与の費用としています。
多くの保育園が国の支給によって維持されていて、保育所をビジネスにして稼ぐみたいな事は基本できないので国のさじ加減によって経営が変わってきます。
なので財政が悪くなったり、政治家が保育所に価値がないと感じたら支給額が下がって保育士の給料も下がってしまいます。
国から給料が保証されているってなんか安心してしまいそうですけど、上限が決まっているということなどで現場で働く人はお金のことをモチベーションとして働くことができないということです。
公立保育園の場合なら、市区町村が国や都道府県から補助金と保護者から保育料を受けとるようになっていて多くの額を受け取って運営にできます。
国も人から集めた税金をそのまま投入している事もあってなかなか一気に保育所への補助金をあげられない状態です。
そうなってくると保育所自体がジリ貧になりやすく、自分たちの力じゃどうしようもない状態になってきます。
もし保育所がビジネスとして高級志向を謳って価格設定を高くすることができたら話は別です。
介護施設における有料老人ホームもまさにそうで、そういった自分たちでビジネスができるようになればその分お金が回るので給料にも反映しやすいです。
実際に多くの施設を国は民間に依頼したわけなので稼ぐ自由をもっと与えてもいいとは思います。
待機児童になるくらいなら親もお金を払って子供を保育園や幼稚園に入れると思います。
お金を持っている家庭も安い金額で子供を入所することができるのは問題です。
月謝の上限を上げるか保育園同士でビジネスで競争させて質を高めつつお金ももらう流れがいいのではないか?と思っています。
有給休暇が消化できていないので収入を実質失っている
有給休暇は働かずにお金をもらえるとてもありがたい制度です。
しかしその有給を上手に利用できていない保育士の方は多いように思えます。
実際に日給が12000円(時給1500円の場合)だと10日使わないだけで12万円を失ったことにもなります。
せめて給料低いなら休みを多めに取るべきですけど、保育士の場合はそこがうまくいっていない印象ですね。
有給の消化するための意識に関しては別の記事で解説していますので良かったら読んで見てください。

しかも人間関係も悪いことが多い
保育士をやめる人の理由として給料だけではなく、職場の人間関係に疲弊してしまったという人は多いです。
給料が低いことが人間関係の悪化に繋がるものだと考えられます。そうなる順として
- 給料が低い
- しかも仕事が普通にきつい
- ストレスが溜まる
- ストレス発散のためにいじめなどの問題を起こす
- やめる
この流れでせっかく貴重な戦力である保育士さんを失っている保育所がたくさんあります。
給料が低いだけでなくて忙しくてサービス残業が多い保育所はこの負のサイクルにはまっていることが多いです。
もちろんいじめをしたりストレスで他の職員に当たってしまう保育士さんが悪いのですけど、人間環境が悪化する環境があるのは確かです。
人間関係で保育士辞めたいと思っている人に伝えた記事もありますので良かったら読んで見てください。

保育士の給料を早急に上げるべき理由
保育士の給料を上げない事によって多くの社会的な問題に繋がってくるのは最初に述べた「日本死ね」の問題で多くの関心を集めたことでもわかると思います。
- 待機児童
- 離職率
これらを防がないと子供を育てる環境が無くなってしまって、多くの母親が在宅で子供を育てないといけなくなってしまい、生活も困窮してしまいます。
以下よりこれら二つの問題について掘り下げていきたいと思っています。
待機児童問題が深刻なので給料を上げて潜在保育士を集めるようになる
給与引き上げの理由の一番の原因は待機児童の増加ですよね。
実際に多くの施設で入所待ちの児童が多かったり、まだ子供が生まれていないのにすでに保育所を予約しているもお母さんも結構います。
2016年10月の時点で待機児童はおよそ47000人というひとつの街を構成するぐらいの数の子供が保育所に入れずにいます。
もちろん家で子供を見ることができる家庭ならいいかもしれないですけど、保育所を利用するという事は共働きをしているとかシングルで子供を育てていている層です。
実際にこの待機児童のせいで働きたくても働けない親御さんが増えていて、待機児童の問題が家での経済状況の困窮に繋がっていることが多いです。
日本は少子高齢化で悩まされていて、子供の数が減っているのにそれを受け入れる施設がないという事は単純に保育士の数が足りないという事なんですよね。
なので待機児童解消のためにも保育士の給料をあげて多くの人に保育士になってもらって子供を受け入れるための施設を増やすべきです。
離職率が高いので給料を上げて引き止める流れになってくる
保育士は給料が低いだけでなく、仕事量の多い職場で僕自身もそれが嫌で保育士をやめました。
他にも労働環境が悪いことによってストレスが溜まってそのストレスを発散するにあたっていじめを起こしてしまう保育士も多いです。
そう言った人間関係が原因で仕事を辞めてしまう保育士さんが結構多いのです。
保育士の人間関係については別の記事に書いていますのでよかったら読んでみてください。
でもこの大変な仕事も給料が高かったりしっかり残業代も払っていたら多くの保育士が離職する事はなかったんですよね。
はっきりいって保育士の離職の問題は国の補助金をあげない事と現場管理が徹底していない施設両方の責任です。
保育士は独特な世界とか言いますけど、単に普通の会社が普通にできている運営ができていないだけです。
確かに保育業界は勤怠の管理が曖昧で業務改善もなかなか行わずに時代に合わせた働き方を否定し続けた節があります。
はっきりいって給料も低くて労働法すら守られていない職場にいる事はリスクでしかないので優秀な人材はどんどん離れていってしまいます。
実際に僕も含めて保育士の資格は持っているけど保育士をしていない「潜在保育士」の数は平成26年の厚生労働省調査で約76万人で現役で働いている保育士43万人の約二倍近くの人がいます。
それほど離職して他職種に就いている人が多いということです。
保育士は資格がないとできない仕事なので人数を増やすためには
- これから資格を取ってもらう人を増やす
- 潜在保育士に働いてもらう
- なおかつ今働いている保育士の離職を減らす
ということになってきます。そのためには給料を上げて離職率を減らしつつまた働きたい人やこれから働きたい人を増やすことが大事だと思います。

保育士が搾取されずに働くためには?
保育士で実際に搾取されて働いていた経験を持っている僕からすると、保育士は必要以上に頑張らないことが大事なのではないかと思っています。
と言われても普段多くの業務に追われて生活をしていると思うので、心の余裕はないかもしれません。
そういう時は働く環境を変えることが大事なのではないか?と思ったりしています。
簡単に言ってしまうと施設に直接雇われない派遣という働き方です。
それに加えて副業を始めてみるのもいいと思います。
介護の世界でもそうですが保育の業界でも派遣で働いた方が給料が高いという普通にあります。
それに加えて
- サービス残業の強制
- 持ち帰りの強制
- 同調圧力による搾取
への抜け道になることが多いです。給料に関しても都市部なら時給1500円を超えるものが多いので残業なしでも手取りで20万円を超える事もできます。
というわけで以下から以前保育士の僕が「入っておけばよかったらなぁ」と思う保育士の派遣会社をオススメします。
ちなみに派遣会社は多くの会社を比較して良いところを選んだ方がいいので、3つほど紹介させていただきます。
派遣の解説している記事もありますので良かったら読んで見てください。

元保育士が入っておけばよかったと思う派遣会社・転職サイト
僕自身が非常にオススメしているのは
- 保育ひろば
- 保育士バンク
- ほいく畑
です以下より解説していきます。
- 求人検索が非常に使いやすい
- 地方から大阪・東京への交通費5000円支給
- 転職お祝いあり

保育士バンク
保育士バンクは、日本最大級の求人数を誇っています。
なので派遣や正社員の方への高待遇案件が多いので非常にお勧めできます。
初めて利用する方にも「元保育士」のコンサルが在住しているので細かなところまで気遣ってくれるのは大きいですね。
- 日本最大の求人数
- 派遣における高待遇の案件が多い
- 派遣会社を通すので合わない保育所も簡単に辞退できる
- 元保育士のコンサルが多数に在籍
- 履歴書の書き方を指導してくださる
- 登録時は電話のみで大丈夫

ほいく畑
ほいく畑はキャリアアップやワークスタイルを安定させたい人向けの会社になっています。
研修や講習の開催を積極的に開催しています。
それに加えて高収入の案件が多いので、満足いく仕事探しができると思います。
- 保育士のキャリアアップをしたい人に手厚い支援がある
- 自分の都合に合わせた働き方がしやすい
- 高収入の案件が数多く取り揃えている

さいごに・・・
基本は給料や労働環境に関しては転職をしてホワイトな環境を探すのが一番だと思います。
僕の場合は何があっても違法労働に加担しないという強い意志を持って残業を断ったり定時で帰ったり有給を使っています。
最初は「こいつ正気か?」となったのですけど、慣れとは怖いもので今は定時で帰ろうと何も言われなくなりました。
なので転職のフットワークの軽さと強い意志を持って働くことは大事だと思います。
それか派遣で働いて守ってもらうのがいいと思っています。