どうもたんたん(@tantan4423)です。
先日以下の記事が介護士界隈の中で炎上していました。
今回はこの記事について介護ブロガーで普段から貧困の観点で記事を書くこともある僕が掘り下げて書いていきたいと思います。
この記事の目次
「介護士は負け組」の記事の概要について

タイトルがインパクトがあるのですが、中身を読んでいない人もいるかもしれないので、記事の内容を一部引用します。
ちなみにこの「負け組」の言及があるのは最後の部分です。
老人ホームの管理者の中には、親会社の会社員として社会人生活をスタートさせ、ある日突然、子会社の老人ホーム勤務を命じられ、施設長をやっている人も多く存在します。私の知り合いにも、このような施設長がいます。本当は、こんなはずではなかったのに……。介護なんて興味もなかったのに……と思って仕事をしている施設長がいるのも、事実です。
批判を恐れずに言えば、私自身も含め、介護業界で働いている人たちは、皆、「負け組」だと思います。元は医療業界、金融業界、製造業界、サービス業界、不動産建設業界などなど。このような業界から、リストラされたり、自らドロップアウトせざるをえない人たちが、仕事を求め、介護業界に流れ着き、結果、たくさんの人たちが働いています。
ちなみにこの記事で著者が伝えたいのは介護士不足の原因は賃金の低さだけではなくて、利用する側のリテラシーの低さもあるのではないか?ということです。
介護保険制度が始まったばかりの頃と比べると、老人ホームは比べ物にならないほど増え、入居者もとても多くなりました。
介護職員の人数も比べ物にならないほど増えています。量が増えれば、当然、中身は多様化し、さまざまな人たちが入ってきたために、質の悪い人たちも目立ってくるのではないでしょうか。
だから、介護職員が劣化してきたとか、クレーマーのような入居者が多くなってきたのでは、と思います。つまり、質の悪い職員や入居者の比率は変わらないものの、分母が増えているので絶対数も増えているということになるのです。
ちなみに僕もこの利用者の母数が増えてクレーマーみたいな利用者やその家族が増えていて、その人たちへの対処を厳罰するべきという記事を書いています。

この話の後で、他の仕事を挫折して介護職に流れてきている人たちの言及をしています。
最近は、新卒採用に力を入れている老人ホームも多いのですが、それでも、多くの老人ホームの介護職員は中途採用者ということになります。つまり、異業種からの転職組が目立ちます。彼らは、当初から、介護職員になりたくてなった人たちではなく、諸事情の中で、途中から介護職員になった人たち、ということだと思います。
さまざまな職場を転々とし、行き着いた場所が介護職員だったり、中高年になって、勤務先の事情が変わり行き着いた先が介護職員だったりしているのが、現実ではないでしょうか。
そういった人からしたら介護士の仕事についていることに対して「本意ではない」と思うのは当然かもしれませんね。
昨年も損保で人材整理のために介護部門に人材を流したこともありましたし、こういう意見が出てくるのも仕方ないと思っています。

「介護士は負け組」の記事を読んで感じたこと

多分この記事では今現在介護の仕事を楽しんでいて満足している人に対しては発信はされていないです。
なので僕自身この記事を読んでそこまで大きな怒りを感じることはなかったです。
今介護職として現場で働くこともないのもありますけど、それよりも自分とは違う思いを持って介護の仕事をしている人の話だったので、「別に自分には関係ない」と思いました。
介護の仕事に対してどのような思いを持っているのか?はみんなバラバラ
別に介護じゃなくても他の仕事でも同じように考える人もいますし、現場に甘えるしかないという状況の人もいます。
実際に今まで何十年も頑張ってきた仕事で結果が出せなかったり、自主退職を言い渡されて転職先がなくて介護業界にきた人も多いです。
そういう人に対して「介護の仕事に誇りを持て」というのは違うと思っています。
実際に介護現場での労働環境の悪さや人間関係の劣悪さを経験した人からしたら自分の仕事に誇りを持つのは難しいと思います。

実際にこの記事を書いた方も前職は不動産会社の営業職でした。
その中で自分のスキルや知識や勘が他の社員に比べて劣っていると感じて転職したという過去を持っています。
この記事自体も本人の体験から思ったことを書いているのであって、僕個人としては信用できる発信だと思っています。
すべての介護士が今の仕事に納得しているわけでもないですし、そういう人たちに向かって「嫌なら出て行けよ」というのもどうかと思います。
個人的にタイトルが悪かったと思う
「介護士は負け組」というタイトルは個人的には「炎上を利用したPV稼ぎ」という印象を受けました。
この記事の内容のメインは以下の主張だと思います。
- 「介護士の質が下がった」という有識者の発信は単に母数が増えて悪い例が見えやすくなっただけではないか?
- 中には介護職として働いていることに不満を持っている人もいる
- 介護士と利用者と家族はあくまで平等である
個人的には最後の部分である主張はこの記事の内容とは少し離れていて違和感を感じました。
それでもメディアはPVを伸ばすことが絶対的な正義ですし、仕方ないことなのかもしれません。
にしてもタイトルと内容があまり一致していなかったように感じました。
介護士は「負け組」なのか?

少し記事から離れますが、個人的には「介護士は負け組」というのは、負け犬の定義によって変わってくると思っています。
ちなみに僕自身は介護で仕事している時の自分を思い出してみましたが、負け組と感じたことはあまりありません。
それでも強いて言えば以下のことで「介護士はきついなぁ」と思ったことはあります。
- 同年代の友人や同級生と手取りが10万円近く低かったこと
- サービス残業を要求されて従ったこと
- 10年先輩の人のボーナスが自分より数万円しか変わっていなかったこと
確かに経済的な観点から考えれば介護士は負け組かもしれません。
しかし、経済的な観点で言っても介護士の仕事をして生活に困っていない人もいますのであまり一概に言えません。
僕自身も介護士で働いていてお金にそこまで困った記憶はありません。
そもそもおかねをそこまで使わない人間でしたし、だいたい毎月10万円あれば楽しく生活できる自信はあります。

そもそも個人の感情の話なので、そんなに括れないことなんですよね。
でもこの記事にあるように介護の仕事をしている現状に不満を持っている人からしたら「負け組」になるんですよね。
なので僕の見解としては「介護士は負け組なのかは自分の感情次第」ということになります。
あまり介護士は周りの声に過剰に反応しない方がいい

今回みたいな記事や発信は定期的に出てくると思うのですけど、それにいちいち振り回されないようになりましょう。
結構何かしらに怒っている介護士さんをTwitterとかでも結構見るのですけど、みていて本当に苦しさを感じます。
実際にこういう発信に荒げている人を周りはどう見るのか?というのも考えた方がいいと思います。
「この介護士の人いつも怒っているけど、それほど介護士の仕事はストレスが大きいんだな」みたいに思われることもあるかもしれません。
「心の穏やかさを手に入れられる仕事か?」というのは個人的には経済的な部分よりその仕事が勝ち組なのか?ということに関わってくると思います。
別によく知らない人の発信に一喜一憂する必要はないです。
もちろんこの記事を書いている僕のことも同じようなものです。
なので参考になる部分だけ取り出していきましょう。
負け組だと思えば頑張ってスキルを身に付けて転職すればいいですし、そうじゃなければ介護士の仕事を引き続き楽しめばいいです。
ということでこれにて終わります。
最後まで読んでくださりありがとうございました。