在宅介護について

【比較】在宅介護にかかるお金を老人ホームと比べます【基本施設がいいです】

 

どうもたんたん(@tantan4423)です。

現在はフリーランスとして活動をしているのですけど、以前は現場で介護職として働いていました。

普段はそんな介護職の働き方に関する悩みを解決する記事を書いています。

今回は在宅介護にかかるお金を施設と比べてどうなのか?ということについて解説します。

介護が必要になったとき、「施設か自宅か」を悩む方が多いようです。

多くの人が「自宅の方が安いはず」と思っていますが、その分自分で動いていろいろしないといけません。

そんなあなたの悩みを解決できる記事を書いていきます。

これから介護を始める人には参考になる内容だと思っています。

※在宅介護に関して細かくまとめた記事がありますので、もし良かったら読んでみてください。

【初めての方へ】在宅介護とは?遭遇した時に困らないよう解説します どうもたんたん(@tantan4423)です。 現在はフリーランスとして活動をしているのですけど、以前は現場で介護職として働いてい...

在宅介護でも意外とお金がかかる

 

「在宅介護の方が施設に入るよりもお金がかかるでしょ?」と思う人も多いかもしれませんが、実はそこまで大きな差はありません。

家庭経済研究所が実施している『在宅介護にかかる費用』の調査結果では、在宅介護にかかる一ヶ月の費用としては約5万円でした。

その内訳としては以下の通りです。

 

・介護保険サービス(デイサービスや、訪問介護など):16000円

・介護保険外サービス:34000円

ちなみにこれだけでいい訳ではなくて、普通に一緒に生活するお金が必要になってきます。

 

・家の家賃(マイホームのローンが終わっていたならなし)

・家の修繕費(リフォームや塗装など)

・光熱費

・娯楽費など

これらの費用を加えると施設で生活するのと大した変わらないという結論になります。

次からは数字を出して根拠を元に解説していきます。

介護度別に必要な費用について

 

認知症や残っている機能によっては介護度が変わってきて、必要になってくる金額も変わってきます。

重度の方になってくると平均すると一ヶ月あたりで平均して13万円の違いが出てきます。

機能が衰えてくると自分でできることが少なくなってしまうので、その分介護サービスを利用して出費も増えます。

各介護度によって変わる介護サービスの費用の違いを表にしました。

 

   
要介護度1 3.3万円/月
要介護度2 4.4万円/月
要介護度3 5.9万円/月
要介護度4 5.9万円/月
要介護度5 7.5万円/月
 
 

在宅介護と施設介護の費用の違い

 

先ほど書いた金額はあくまで介護サービスを使うために必要なお金であって、在宅介護の場合はその他に生活するためにお金が必要になります。

また福祉用具を個人でレンタルすることもありますし、在宅介護のために家をリフォームすることもあります。

確かに施設よりかは総合したら少なくなる傾向がありますが、その差もそこまで大きいわけではないですけど、そこまで在宅で自分の労力を割いてする価値はないと思います。

それなら仕事を続けて収入を得ながらその数万円の差を埋めた方がいいと思っています。

施設介護と在宅介護で毎月かかるであろう金額を以下にまとめてみました。

施設介護と在宅介護にかかる金額(要介護3)

【施設介護】

・居住費:約68000円

・介護サービス費:約19980円

・食事:5万円

・管理費娯楽:1万円

合計:147980円

【在宅介護】

・居住費:0(ローンがあるなら加算)

・介護サービス費:約3万円

・食事:5万円

・光熱費1万円

・その他;1万円(家の修繕費があれば増える)

合計10万円

在宅介護をする際には予想外の出費が多い

 

先ほど書いたように全体の費用的には在宅介護がお得かもしれませんが、在宅で介護をするに当たって予想外の出費もあります。

 

・老朽化した家の修繕費用(数百万円単位)

・家のインフラの修繕費

・車椅子が乗せられる車の購入(介護タクシーもある)

・ローンが残っているならローン費用

 

みたいなお金がかかって結果的に在宅の方が金銭的に高くなるみたいなことがあります。

在宅介護をしているので、普通に仕事をして収入を得るみたいなことができないので、家族に貯金が少ないとすぐジリ貧になってしまいます。

実際に在宅介護がきっかけに貧困になってしまう家庭も多くて「施設に預かってもらえれば良かった」と思う人も多いです。

しかし中には「住み慣れた家で介護をしたい」と言う人もいますので、無理のない範囲でして欲しいです。

在宅介護で家族の負担を少しでも減らしたい時にするべきこと

 

「お金がかからないのであれば在宅介護をしたい」と思う人は少なくないはずです。

しかし24時間365日介護をし続けるのはメンタル的にしんどいです。

実際に介護士の人で在宅介護をしていた人がいるのですけど、「自分の時間が全くなくて辛い」という人もいたぐらいです。

「介護疲れ」は社会的にも大きな問題になっています。

なのでそういう方には国が用意してくれた制度を使った方がいいと思います。

これらのサービスはほとんどの介護サービスで適用されます。

申請すれば全て適応されるわけではないので注意が必要です。

使用する介護サービスによって限度額は大きく変わってきます。

各サービスの介護度の支給限度額は以下の通りです。

 

各の介護度の支給上限額

・要支援1:5320円

・要支援2:105310円

・要介護1:167650円

・要介護2:197050円

・要介護3:270480円

・要介護4:309380円

・要介護5:362170円

 

 

限度額の範囲内であれば1割負担で大丈夫ではあるのですけど、それを超えた分は全額自己負になることは注意して欲しいです。

もっといろんなサービスを受けたいと思う人はケアマネジャーに相談して予算内で受けられるサービスを提案します。

また食事に関しては自宅で毎日3食用意するのは非常に大変です。

高齢者向けの宅配の食事サービスもあるので利用してみていいと思います。

これらはレンジでチンするだけで健康的でおいしい食事を食べることができます。

僕自身も一回頼んで食べてみたのですけど、柔らかくておいしかったです。

宅配サービスに関しては別の記事で解説していますのでもし良かったら読んでみてください。

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費用の捻出は貯金や年金から行ったほうがいいです

 

 

在宅介護で必要な費用は、年金や退職金、預貯金などから支払われるのが一般的です。

しかし「もっといい介護をしたい」という場合はさらなるお金がかかってしまいます。

また想定外の出費がありますので、毎月入ってくるお金で賄うのが難しいことも出てきます。

そうなってきたら、個人年金や金融商品や不動産の費用や老後に貯めてきた貯金を切り崩すこともあります。

在宅介護をするに当たって、家の改修工事にお金がかかってしまうケースももありますので、そこで退職金がなくなってしまうこともあります。

高齢者の資産の多くを占めるのが土地や家などの不動産です。

そのような手持ちの不動産を、マイホーム借上げ制度やリバースモーゲージなどに活用するケースも増えています。

マイホーム借上げ制度というのは、50歳以上の高齢者の自宅を一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)が借り上げて賃貸住宅とし、転貸する制度です。

この制度を利用すれば、自宅を売ることなく、安定した賃料収入として家族に財産を残すことが可能です。

 

リバースモーゲージは、自宅を担保として定期的に融資を受け、死亡時に売却して資金を返済する制度です。

この制度の一番のメリットは、死亡時に自宅を売って借入金を返済するため、自宅に住みながら費用を捻出できる点です。

 

でも基本的には年金で運用していくことが大事です。

個人的な資産を介護のために使ってしまうと介護をしてくれた子供たちにお金を残すことができなくなります。

介護のために仕事を辞めて本来得られるはずのお金を得られなかったのです。

なので個人的には残す資産がない場合は年金のみで入れる施設を探すべきだと思っています。

在宅介護のお金の問題にどのように備えるのか?

 

 

介護にかかる費用は決して安いものではないです。

今からできる事前の備えをしておきましょう。

親とお金のことについて話し合うべきです

 

いくら仲が良い家族でも、お金の話はあまりしたことがないという方が多いのではないでしょうか?

しかしお金の話を避けていると、在宅介護が始まってしまった時に大混乱してしまいます。

ここで話し合う際の4つのポイントをご紹介します。

①介護とお金の話を同時に行う

 

「貯蓄いくらあるの?」なんて家族間でも聞きづらいですよね。

「将来の介護のことについて話したいけど、どうしたいかな?」という風にお金の話に切り込んだ方がいいです。

いきなりお金のことを聞かれたら「うちの子供は相続目当てなのか?」みたいに思われてギスギスすることがあります。

 

②印鑑の保管場所、暗証番号なども聞く

 

貯蓄や年金など金額の話だけでなく、印鑑や通帳などの保管場所や、銀行の暗証番号など情報も知った方がいいです。

お金があることを知っていたとしても、お金がある場所や手元に揃える手段がなければ意味がないからです。

ただしこれはお金の金額以上にデリケートな内容になるので、しっかりと意図を説明したうえで話をするようにしましょう。

「介護をする時になった時に困るから保存場所を教えて。暗証番号はメモを入れておくと助かる」みたいな感じがいいかもしれません。

 

③介護にどれぐらいのお金を使えるのか?の確認はしたほうがいい

 

介護にいくらかかるかということよりも、いくらかけられるかということを話した方がいいです。

あくまで家族のお金で家族が使うのですけど、お金がなくなってしまった時に子供の懐を炒めてしまうことを防ぐためにも大事です。

なので「私は一切お金の手出しはしません」ということを伝えておいた方がいいと思います。

それで怒ってくることがあるかもしれませんが、それはしっかり伝えましょう。

親に子供のお金を当てにさせないということが、この相談の重要な意味になります。

お金がある範囲で親の希望を叶えられるような介護方針を決め、いつでも振り返れるように書面で記録を残しておくといいと思います。

 

④できる限り早いタイミングで話をする

早いに越したことはないです。

早めに話すことで老後に備える動きを早くすることができます。

遅ければ遅いほどお互いが後悔する結果になります。

自分の意思や親の意思を確認をすることが大事です。

相手との関係の悪化を恐れて遅くなりがちですけど、お互いのためだと思った方がいいと思います。

民間の介護保険に加入を検討してもいいと思う

 

医療保険や生命保険などに加入されている方は多いと思いますが、民間の介護保険に加入されている方はそこまで多くないのではないでしょうか。

公的介護保険対象外の部分を補うという意味でも、加入しておくと将来の安心感につながります。

メリット

 

民間の保険のメリットは以下の通りです。

・老後に向けて今すぐ準備ができる

・公的介護保険対象外でも保障の対象となる

・現金給付の受け取り方法が選択できる

老後に関する準備は保険を使うことで簡単にすることができます。

保険と貯蓄と 年金を合わせれば大きな強い味方になると思います。

 

デメリット

 

デメリットは以下の通りです。

・保険料の負担が出てくる

・条件に当てはまらなければ支払われるわけではない

月々の支払いが大変な人はなかなか利用できないと思います。

また支払いに関しても課せられる条件が厳しい時もあるので保険会社の選びが難しいです。

保険会社は出来るだけ支払いたくないのです。

支払うことで手持ちのをお金が減るわけなのであれこれ理由をつけて支払わないみたいなトラブルもあります。

支払いを先延ばしにして、当事者が亡くなるまで待つみたいなこともあります。

保険料の支払いん関しては多くの裁判が行われています。

保険会社はしっかり弁護士を雇って戦うので、腹依存になる可能性もあります。

 

申し込み方

他保険同様、保険会社へ申し込みをする必要があります。

会社ごとにプランや特徴に差がありますので、要検討されることをオススメします。

 

苦しいまま在宅介護をしないことが大事です

 

少し費用の話から外れてしまいますが、介護をするのは子供です。

親の意向があったにしても介護をするのを決めるのは子供です。

・子供のお金を使わせてしまう

・子供にお金を残せない

・介護が終わった後に再就職できない

みたいなことがあると子供の介護が終わった後に人生が詰んでしまいます。

在宅介護とお金の問題は非常に根が深いです。

入ってくるお金よりも出ていくお金が多くなるので、どんどんジリ貧になってしまいます。

最初は「家族の面倒を最後まで見る」と思っていた家族が疲れ切ってしまって鬱になってしまうこともあります。

在宅介護の末の殺人も最近多くなっています。

それほど在宅介護は家族側の負担が大きいということです。

なので基本的には介護施設で生活をしていただいた方がいいと思っています。

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さいごに・・・

 

在宅介護をするに当たっての費用に関しては「今の自分の状況と相談する」ということが大事です。

ローンが残っている状況で介護をしても出費が増えてしまいますし、家の修復が必要になった時に破綻してしまいます。

しかし介護施設に入所することになったら家を改築する必要もないし、家を売って賃貸に住むことだってできます。

基本的に僕は介護に関して子供側が損をしないということが大事だと思います。

介護をする子供に対して親はしっかり遺産を残すべきだと思いますし、お金がない人は子供を頼るのはダメだと思っています。

それなら年金や貯金の範囲で施設に入るべきです。

子供にも介護の後に人生があります。

この人生を介護によって破綻するのは誰もが望まないことだと思います。

そして介護をするに当たって「負担を減らす」ということを「楽するのは良くない」と考えるのもよくないと思っています。

介護する側の負担は小さい方がいいと思いますし、そのために使えるものはどんどん使った方がいいです。

実際に在宅介護は子供協力があってこそです。

子供が介護をして当たり前でもないですし、子供も介護を拒否して施設に入ってもらうことは全然悪いことではないです。

在宅介護はお金がかからないとか言いますけど、その分子供は仕事を辞めて収入は途絶えてしまいますし、ほとんどの時間を介護に費やすのは割にあいません。

こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、まずは自分の人生を優先して欲しいです。

最後は説教臭くなってしまいましたけど、これにて終わります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。