どうも現役介護士のたんたん(@tantan4423)です。
僕は現在26歳で5年前に保育士から介護士に無資格、未経験で転職しました。
最初の3年は島根県で法人内のショートステイと従来型特養とユニット型特養で経験を積みました。
その後上京し介護派遣にて有料老人ホームで夜勤専従として働いた後に島根に帰省し現在は老健に勤務しています。
これからのキャリアとしては近いうちに都市部に再び戻るつもりです。
かいご畑で実務者研修の資格を無料で取得して国家資格である介護福祉士を取得するつもりです。
かいご畑に関しても詳しく解説している記事がありますので良かったら読んでみてください。

先日以下のようなツイートをしました。
介護殺人についてのニュースです
▶️敦賀3遺体、夫殺害容疑で妻を逮捕 「3人の首を絞めた」と供述 | 事件・事故 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE https://t.co/fFVZDJHNFL
これから受け皿である介護施設が人手不足になる事と高齢化でこういう事件はさらに増えそうですね。
— たんたん@介護×ブログ (@tantan4423) November 18, 2019
今回は上記のツイートに関して解説していきたいと思います。
介護殺人に関しては大きな社会問題になっているので、現役介護職の僕が思ったことを書いていきたいと思います。
この記事の目次
福井県敦賀市の介護殺人の概要
ニュースのリンクは以下の通りで概要を引用していきます。
【参照】敦賀・高齢3人遺体 介護苦労周囲に漏らす 夫殺害容疑の妻 世話一手に 穏やか一家が、集落衝撃
11月17日午前7時50分ごろ、福井県敦賀市の会社役員岸本太喜雄さん(70)方で、太喜雄さんと90代の両親が遺体で見つかった。太喜雄さんの遺体には首を絞められたような痕があり、敦賀署と県警捜査1課は同日、太喜雄さんを殺害したとして、妻の会社役員政子容疑者(71)を殺人の疑いで逮捕した。政子容疑者は「3人の首を絞めた」と供述しており、同署などは、太喜雄さん以外の2人も殺害したとみて捜査を進めている。
逮捕容疑は同日未明、同市の木造2階建ての自宅内で太喜雄さんの首を絞めるなどして殺害した疑い。太喜雄さんの遺体は2階寝室で見つかった。検視の結果、死亡推定時刻は同日午前2時ごろから同3時ごろ。遺体近くにタオルがあり、凶器の可能性があるとみて調べている。
同居の父、芳雄さん(93)と母、志のぶさん(95)の遺体は1階のベッドで見つかった。3人ともあおむけの状態だった。
政子容疑者から義父母を手にかけたとの趣旨の連絡を受けた親族が110番したという。政子容疑者は睡眠薬を飲み、救急搬送されたが、命に別条はなかった。
近所の人によると、太喜雄さんは足が不自由で、両親も介護が必要な状態だったとの話もあり、政子容疑者が一人で3人の世話をしていたらしい。
以下の項目より考察を書いていきます。
介護殺人は大きな社会問題です
僕のサイトでも介護殺人に関しての考察はこれまで何回も取り上げてきました。



僕が取り上げた以外でも家庭での介護虐待は数え切れないほどあって、ニュースになってないものも数多くあります。
厚生省のデータによると年間で17000件以上の介護虐待が報告されています。
また事件になっていないものを含めてしまったらその何十倍も起こっていると考えています。
それほど在宅介護が犯罪につながりやすいということが言えるのではないでしょうか?
そして国はこの社会問題に対して有効な対策打てていないです。
逆に国は在宅での介護を推奨しているぐらいなので逆効果でどんどん増えて行くのではないか?と思っています。
国は在宅介護への方向を推奨していますけど、その結果在宅介護をしている家庭での虐待事件が後を絶ちません
介護施設も高齢化して増加した高齢者を受け入れる先がないためにどんどん負のスパイラルにはまっています
取るべき道は一つで待遇改善して介護士を増やして受け入れ皿を増やすべきと思ってる
— たんたん@介護×ブログ (@tantan4423) November 18, 2019
介護職不足で受け入れ皿が足りない現実
ここで介護業界の話になりますけど、今圧倒的に介護施設が足りない状況になっています。
今回の事件を見ても被害者である両親と太喜雄さんは介護が必要でした。
しかし高齢である娘が一人で介護をしていたので、計り知れない苦労はあったと思います。
もしこの二人が介護施設で生活をすることができれば娘は3人を殺害するという行為をすることはなかったと思います。
ちなみに低所得者が入ることが多い特養に関しては入所待ちが数百人単位でいますし、職員がいないので空き部屋が存在します。
圧倒的に介護職が足りないのです。
2025年問題と言われていて2025年に介護職が約40万人不足すると言われています。
もっと真剣に国が考えて介護職確保のための政策をして欲しいです。
「外国人を入れればいい」みたいな安易な考えはやめるべきです。

ちなみに今の介護業界の状態では外国人労働者も定着しないとは思っています。

在宅を推し進める政治とは裏腹に彼らは大きな被害者ではないでしょうか?
「両親は自分で介護をしたい」という子供もいるが・・・
「両親は自分で介護をしたい」という子供をよく見るのですけど、はっきり言って介護職の僕からしたら「やめたほうがいい」ということは言いたいです。
「親孝行したい」という気持ちは尊重されるべきではあるのですけど、でも結果として殺人という犯罪を起こして3人の命が奪われてしまいました。
親孝行したいと言っても介護を受ける人が結果、命が奪われてしまっていては子供側を擁護することは難しいように感じました。
人の感情は複雑で追い込まれてしまったら何をするか分からないです。
僕も今回の容疑者の立場になったら介護を継続して行うことは難しいと思っています。
在宅介護をするならあらゆる機関や多くの人に関わらせてストレスを軽減することが大事です。
はっきり言って少人数で家でつきっきりで介護をするのは不可能に近いのではないか?と思っています。


介護施設に入れない高齢者が増えることで治安が悪化する
今年の大事件として池袋での高齢者の交通事故があります。
これも車の運転ができないと医師から言われている人が車を運転して多くの方の命を奪いました。
その後の対応や供述を見て感じたのは「この人は少なからず介護が必要だったのではないか?」ということです。
しかしこういう人が街に出てしまったことで悲惨な事件に繋がってしまうのです。
これからこういう介護の必要な人が介護を受けずに街に出て多くの問題を起こす可能性があります。
そういう意味でも早い段階で介護が必要な人は然るべき機関を通してサービスを受ける必要があります。
しかし受け皿である施設が人手不足で機能しなくなってしまったら治安が悪化することが安易に予測できます。
その辺のことに関しては別の記事で解説していますのでもし良かったら読んでみてください。


介護サービスが充実しないと悲しい事件は続く
今のこの国の社会保障の状態をみると、将来のこの国が心配になります。
介護施設に入れないから在宅介護を余儀なくされて、介護虐待に繋がり逮捕者が出たり、正常な判断ができない人が問題を起こすことがさらに増えてくると思います。
はっきり言って「在宅介護頑張れよ」とか「高齢者は車に乗らなくていい」みたいな話では解決できないほど状況は悪化しています。
そういう感情的なものではなくて仕組みとして解決しない限りは未来はないと感じています。
もう一度言いますけど、今回事件を起こした人が悪いのはいうまでもないですが、それを当人のせいにだけにするのではなくて国の問題として考えるべきです。
彼女も被害者です。
【結論】事件は起こるべきして起こりました
介護虐待に関する問題は長年社会の課題として言われています。
しかし減るどころか年々増加傾向です。
そのことから言えるのは高齢化の波が来ているということと、社会保障が効果的に働いていないということです。
そして思った以上に世間の問題意識は低いです。
そして介護虐待に関して「誰でも起こり得る」という考えは持っておいたほうがいいと思います。
そして安易に在宅介護をしないことは大事だと思います。
この事件をきっかけにもっと真剣に議論されればいいと心から願っています。
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