介護にまつわる社会的問題

【人権侵害】クラスターで家に帰れない(施設待機の)介護士が増えている

 

どうもたんたん(@tantan4423)です。

僕は元介護士で今現在はフリーランスで「介護士の働き方」についてブログで発信をして生計を立てています。

先日以下のようなツイートをしました。

 

入居型の介護施設でクラスターが発生をして家に帰らない介護士が増えています

緊急事態とは言え深刻な人権侵害ではないでしょうか?

「そのような状態でも働き続けてすごい!感謝しないと」みたいな風潮もある

確かにそうですけど、その言葉が彼らの退路を断つことになることを自覚して欲しいです

 

上記の記事を深掘りしていきます。

コロナウイルスの影響で、介護施設でも感染者が増えていて中で働く介護士が「感染を広げないため」ということで家に帰れないという事が出てきています。

この記事ではその現状を「人権侵害」と位置付けて批判をしていきます。

僕自身の立場としては「家に帰れない介護士」を批判するつもりは全くないです。そういう人たちがいる事で助かっている人も多いです。

あくまでこの現状に対して「介護士の人権はどうなのか?」という疑問を呈するものになっています。

 

現在、コロナウイルスで施設クラスターが発生して家に帰れない介護士が増えている

 

現在コロナウイルスの脅威は入所型の介護施設でも襲いかかっています。

入所型の介護施設で感染が拡大した後にどのように対応をしていいか?分からないところもあって、職員と利用者が共倒れするのではないか?と思っています。

以下のツイートや記事は実際に今介護現場で起こっている事です。

 

 

介護事業所の管理者から。

横浜市のグループホームでは陽性患者が出ても軽症の場合、施設待機に。そうなれば、感染対応の専門家でもない介護従事者がコロナ陽性患者さんの対応の前面にたつことに。

また突然施設閉所となった場合の対応は全市的に対応しないと法人任せではとても無理と。

 

 

 

北海道千歳市のサービス付き高齢者向け住宅で、新型コロナウイルスの感染拡大により介護職員が4分の1以下に減り、介助が十分にできなくなっていることが施設側への取材でわかった。これまでに入居者と職員ら10人の陽性が判明し、入居者約40人がPCR検査の結果を待っている

(中略)

残った入居者のうち29人が要介護認定を受けている。職員が泊まり込みで介護を続けるが、排泄(はいせつ)や食事の介助が十分にできない状態で、口腔(こうくう)ケアは取りやめている。運営会社の本部社員は専門知識がなく、同業者や行政から人的支援を受けられるめどは立っていないという。

 

上記のツイートや記事のようにコロナウイルスの拡大に伴って「施設待機」になって家に帰れない介護士が出てきています。

病院も介護施設でのクラスターの受け入れができるほど余裕もないので、施設に病院に似たようなコロナウイルスの現場対応が求められつつあります。

そして永寿総合病院みたいに感染が蔓延して多くの犠牲者を生むのではないか?と思っています。

永寿総合病院は感染拡大を謝罪してはいけない理由【悪影響を及ぼします】 どうもたんたん(@tantan4423)です。 僕は現在26歳で5年前に保育士から介護士に無資格、未経験で転職しました。 最初の...

現在介護士で命の危険に晒されているという現実があります。

以前に介護崩壊後の世界について記事を書きましたので合わせて読んでください。

コロナウイルスで介護崩壊は目前?これから起こる最悪な事態を考察するこのページではコロナウイルスによる介護崩壊が起こった後の最悪なシナリオを想定して書いています。あくまで僕個人の考えですので蚊科学的根拠はないですので、ご承知してください。...

 

クラスターが発生した介護施設の施設待機は人権侵害ではないか?

 

感染防止の意味で中で働いている介護士に対して「施設待機」をいい渡す介護施設が増えているのですけど、これは人権侵害ではないか?と思っています。

その介護士の行動を著しく制限するものですし、いくら感染症の拡大防止と言っても人権を侵害されている事実には変わらないと思います。

その介護士にも変えるべき家や家族がいるわけであって、その人が家に帰らないことによって、多くの問題が生じます。

・残された家族の精神的な影響

・家事や育児への影響

結構「感染症だから当然でしょ?」みたいな感じで当たり前のように行われている施設待機ですけど、本人に無理やり納得させているのではないか?とか思ったりします。

 

 

今まで介護現場では多くの人権侵害が横行していました

 

介護現場で働いている人はコロナウイルスの感染拡大前から人権侵害される機会も多かったように感じます。

・サービス残業が横行している

・福祉の精神を盾にとって搾取をする

・休みが取れない。取らせてくれない空気がある

・利用者を守るために平気で職員を犠牲にする

これらの次が「施設待機」という介護士のプライベートを多く侵害する行為です。

それを「当たり前」とする世の中や業界の風潮や国の意向には疑問に感じざるを得ません。

現在医療福祉現場への搾取をしている意識をもっと持って欲しいと思っています。

【2021年版】絶対に働いてはダメなブラック介護施設の21の特徴このページでは働かない方がいい「ブラック介護施設の特徴」について解説しています。この記事で紹介する項目が多く当てはまる施設で介護士が働くと不幸になってしまうので、この記事を読んで避けて欲しいと思っています。...

コロナウイルス前から介護崩壊は起こっていた

 

なんかコロナウイルスの影響で介護崩壊が懸念されているようですけど、はっきり言ってとっくの前に崩壊しています。

元から人手不足で現場をギリギリで回していましたし、今回のコロナの施設待機で人権侵害されていて、感染を無防備で待つだけの状態は崩壊しています。

実際に介護施設で感染が拡大して介護職員にコロナウイルスの対応を追われて、職員共々介護施設で隔離されてしまうのは、医療崩壊も介護崩壊している状態です。

他の症状で病院に行かないといけない利用者もいるわけですし、介護施設も徐々にリソースが削られてしまいます。

そもそもコロナウイルスが拡大した時点で介護施設に対応できるぐらいの力は残っていない状態だったのです。

常日頃から人権侵害が横行していた業界でコロナウイルスでさらにひどくなって見えるかしていたのではないか?と思っています。

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「仕方ない」ことではない

 

なんか多くの人が介護職員が施設に寝泊りして施設から出られずに働いていることに対して「仕方ないこと」と思っているような気もします。

実際に今ある「医療従事者に感謝しよう」みたいなことも、「医療従事者は命をかけて戦うことは当たり前」という前提の元言われているような気もします。

考えすぎだとは思うのですけど、掌を返して称賛する空気に気持ち悪さを感じます。

個人的には医療現場や介護現場の人が命をかけて仕事を真っ当をするということを「仕方ないこと」「当たり前なこと」とは思えません。

はっきり言って今ある責任から全部逃げても自分を守る行動をとるべきだと思います。

それほど人権は重視されるべきだと思いますし、「介護を辞める」という選択肢も尊重されるべきだと思います。

そもそも自分の命をかけて人を守る行動を称賛されがちですけど、それを当然のように考える風潮はクソだとも思っています。

 

施設待機を命じられたら断っても、退職をしてもいい

 

こんなことを言ったら怒られそうですけど、望まぬ施設待機を命じられたら断っていいと思います。

それで反発を食らったとしたら退職をして失業保険で食いつなぐ道を選んでもいいと思います。

目の前の利用者や患者を見捨てることになったとしても、あくまで仕事です。

気に入らない事があれば辞めてもいいです。

お金を得て生きていくために仕事をしているのに、命の危機を抱えながら仕事をするのは本末転倒な気もします。

施設待機はどのような事情があろうと人権侵害になるのは変わらないです。

それで施設が崩壊しようとそれは仕方ないと思います。

なんか今の医療福祉現場は戦時中みたいです。

自分の命は自分で守るべきですし、自分の命が自分だけのものではないということも意識して欲しいです。

そして施設待機しない介護職を差別したり、執拗な攻撃をするのも辞めて欲しいです。

感謝ではなくて安全な環境と高い収入を渡すべき

 

「感謝」という言葉が非常に胡散臭く感じています。

感謝をしたところで彼らが辛いのは変わらないです。

それよりも一部のクレーマーだったり過剰な防衛をすることを無くして欲しい。

https://twitter.com/ai_nanda/status/1255782458559066113?s=20

 

 

コロナで不安になった人が介護職に対する人権侵害をしている事があります。

感謝はいいからそういう理不尽に迷惑をかけないで欲しいと思っています。

またそれ以上にもっと安全に働ける環境や高い給料が欲しいです。

手取り15万円でコロナウイルスの対応をさせられる事自体搾取以外の何者でもないです。

感謝の言葉で医療従事者への差別を薄める事ができますし、しないよりした方がましなのは事実です。

しかしそれで終わりなのは流石に無責任すぎるのではないか?と思います。

そして感謝だけで低い収入に高いリスクのもとで働かせていたらどんどん介護職は辞めてしまいます。

実際に僕も「施設待機を言い渡されたら断れ。最悪辞めてもいい」というのもこの搾取の構図が解決されていないからです。

別に一時期介護の仕事を離れても終息後にまた始める事ができます。

貯金や副収入があるような人はそういう選択をすることもできます。

手取り15万円の仕事で命を張るのは逃げる人がいても当然だと思います。

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使命感や責任感の押し付けは辞めるべき

 

これは介護業界の中でも外でも同じですけど、「介護士なんだから利用者のために命を張るのは当然」という事をいう人はいなくなって欲しいと思っています。

責任感や使命感や綺麗事を盾にして圧力をかけるのは辞めて欲しいです。

もう既に感染が発生している施設ではクラスターが形成されるのは時間の問題なのです。

対応策も病院ほどあるわけでもないですし、欧米では介護施設の中で多くの死者を出しているニュースもあります。

多くの国が介護業界を見捨てています。

介護業界が好きだったスウェーデンでも同じような現状です。

これから命の選択が始まる中で高齢者施設は真っ先に切られてしまう領域です。

だからこそ自らの意思で逃げることも選択肢に入れていいと思います。

はっきり言って施設待機はどんな理由があろうと介護士の行動を宣言する人権侵害なのは変わらないです。

それに応じる人は感謝しないといけないのですけど、応じない人を責めてはいけないです。

もう少し介護士の人権に関して考えてくれる人が増えてくれる事を祈って記事を書きました。

最後まで読んでくださりありがとうございました。